日本植物生理学会-みんなのひろば-
さて、葉に形成層があるのか?ないのか?を質問され、調べてみたのですが、明確になりません。岩波『生物学辞典』の形成層の項には葉の形成層に関する記述がなく、東京化学同人『生物学辞典』には「茎や根などの」肥大成長を担うことが説明された後に「葉には形成層はないか、あっても大型葉の葉柄を除き不活発である」とあります。とすると、一部の植物の葉にはあるということになります。
そこで質問したいのが、次の各点です。
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(1)葉に形成層をもつ植物と葉に形成層をもたない植物のどちらの方が多いのか?
(2)同じ個体の中でも、大型の葉だと存在するが、小型の葉には存在しないというような現象があるのか?
(3)葉に形成層が存在する植物の場合、葉脈のすべての部分にあるのか? それとも、葉脈のさらに一部にだけあるのか?
(4)葉の形成層はどのような役割を果たしているのか?
(5)葉に形成層はあると言うべきなのか?ないと言うべきなのか?
一番、お聞きしたいのは、タイトルにもしましたが、(5)です。
松挿し木を成長させる方法
高校生・浪人生を教えていると"細かい点にこだわりすぎる"学生がいます。例外の存在が当然の生物についての教育の場では、"過度の厳密さ"はかえって妥当な理解を阻害する面があり、悩ましいところなのです
たとえば、キンポウゲで維管束が消失しているからといって、「維管束植物は一般的に維管束をもつ」とか「維管束植物には維管束をもつものともたないものがある」と説明したりすれば、学生は混乱してしまいますから。
ほとんどの植物の葉が形成層をもたない、つまり、もつものがきわめて例外的ならば、葉に形成層はないと言うべきということになると思います(生物学では例外の存在は当然のこととして)。
大半の植物の葉は形成層をもたないが、無視できない割合の植物がもつならば「一般に」をつける必要が出てくると思いますしきますし、6:4といった割合ならば、「もつ種ともたない種がある」と言う方が良い気がします。
細かいことになりますが、よろしくお願いします。
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